フライパンを選ぶ際には、売り場で実際に製品を手にし、ご自身がしっくり来る製品はどれなのかいろいろと比べてみますよね?そしてそのときには、「重すぎる」「軽すぎる」といったさまざまな問題が持ち上がってくるのではないでしょうか。
同じフライパンなのにこのような差が現れる理由、それはフライパンの素材に秘密が隠されています。
こちらの記事では、フライパンに使用されている素材やその特徴をご紹介していますので、製品を選ぶ際にはぜひ、参考にしてくださいね。
選ぶ前に知っておきたい、フライパンの種類
フライパンの形状はどの製品でも大差がありません。それだけに、どれも同じだと思ってしまうことがあるのがフライパンなのですが、実はフライパンの素材はさまざまで、それぞれに異なった特徴があるのです。
新規でフライパンを購入する方はもちろんのこと、フライパンの買い替えをお考えの方も、まずはこれらの違いについてしっかりと把握しておきましょう。
鉄
フライパンが日本の家庭に普及し始めた当初は、鉄のフライパンが主流でした。
このフライパンはとても丈夫で、使い込むほどに油が馴染んで使いやすくなるという特徴があります。また、熱伝導率が高いため、短時間での調理が可能というメリットもあります。
しかしその一方で鉄は重く、女性が使用するに当たっては少々負担が大きいというデメリットもあるのです。
また、鉄は錆びやすい性質があるため、しばらく使用しなかったり油分が完全に抜けると傷みが目立つことがあるというデメリットもありますので、どちらかというとこまめにお手入れができる方に向いている素材だといえるでしょう。
このようなデメリットはあるものの、依然として高い人気を誇るのが鉄製のフライパンで、現在では鉄の厚みを薄くした軽量タイプも販売されています。
じっくりと育てて長く使いたいという方は、手や腕への負担が少ない鉄製のフライパンを選んでみてはいかがでしょうか。
鉄製フライパンの特徴まとめ | |
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重量 | 重い |
熱伝導率 | 高い |
取り扱いやすさ | 錆びが出やすいので手入れはやや大変 |
価格 | 安価 |
おすすめできる人 | 重さが気にならず、手入れをしっかりと行える人、手っ伝導率が高いため、高温で炒めものを作る機会が多い人 |
銅
鉄と同様に熱伝導率が高くて錆びにくいというメリットがありますが、重量があるため、女性が使用する場合では少々扱いにくいと感じることがあります。
また、全般的に高価な製品が多いため、家庭用というよりかはプロ向きだといえるでしょう。
最近では家庭用の銅フライパンも販売されるようになっていますが、他の素材のフライパンよりも高価でしかも重いという点を考慮するのなら、おすすめ度が低い種類だといえます。
銅製フライパンの特徴まとめ | |
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重量 | 重い |
熱伝導率 | 高い |
取り扱いやすさ | 火力が強すぎると変形することがあるため、火加減が難しく、ちょっとした衝撃で変形しやすいので大変 |
価格 | 高価 |
おすすめできる人 | 火加減に自信があり、煮込み料理など時間がかかる料理を作る機会が多い人 |
ステンレス
ステンレスは錆びにくい素材で、高温の熱に対する耐久性が強いという特徴がありますので、長く使い続けることができるというメリットがあります。
また、長期間使用しても錆びにくく加熱後には冷めにくいというメリットもありますが、熱のムラができやすく焦げ付きやすいという特徴があるため、家庭用としてはあまりおすすめできません。
食材ごとに適した火加減や加熱時間などをしっかりと把握している方であれば問題はないものと思われますが、そうでない方はなるべく避けたほうがいい種類のフライパンだといえるでしょう。
鉄製フライパンの特徴まとめ | |
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重量 | 重い |
熱伝導率 | 悪い |
取り扱いやすさ | 焦げ付きやすいというデメリットはあるが、丈夫で傷つきにくいため、比較的簡単 |
価格 | やや高額 |
おすすめできる人 | 丈夫で傷つきにくいフライパンを使いたい人や火加減に自信がある人 |
チタン
とにかく軽いのがチタンの特徴で、重さは鉄の約半分程度しかありません。つまり、重さの部分だけで考えるのであれば、女性でも取り扱いやすいフライパンということになります。
また、丈夫なのもチタンの取り得ではありますが、熱の伝導率が低く、なおかつ焦げやすい、調理に少々時間がかかることがあるというデメリットもあるのです。
しかし、重量が軽いという最大の魅力に惹きつけられる方が多いため、製品数が多いのも確かです。
最近では焦げ付きにくい加工が施された家庭用フライパンも販売されていますので、チタン製フライパンにご興味がある方は、そのような種類の製品を選んでみると良いでしょう。
チタン製のフライパンは他の素材との混合で製造されていることもありますので、売り場で気になる種類を見つけたら、まずは素材を確認してみることをおすすめします。
チタン製フライパンの特徴まとめ | |
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重量 | 軽い |
熱伝導率 | 悪い |
取り扱いやすさ | 錆びにくく丈夫で傷が付きにくいため、簡単 |
価格 | 高額 |
おすすめできる人 | 高額でも軽くて丈夫なフライパンを使用したい人、お手入れにあまり時間をかけたくない人 |
アルミニウム
広く市場に出回っているのがアルミニウム製のフライパンです。
アルミニウム自体は焦げ付きやすく油馴染みが良くないという特徴があるのですが、素材自体は加工を施しやすく、現在ではテフロン加工やマーブル加工を施された製品が数多く販売されています。
このような種類のフライパンであれば焦げ付きにくく、家庭用に適したフライパンだといえるでしょう。
それだけではありません。アルミニウムの最大の魅力はその”軽さ”にあるのです。
フライパンは調理器具の中でも頻繁に使用することが多く、あまり重いと使用の度にストレスを感じることにもなりかねません。
そして、このようなストレスも比較的少ないのがアルミニウム製のフライパンだということですね。
アルミニウム製フライパンの特徴まとめ | |
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重量 | 軽い |
熱伝導率 | 高い |
取り扱いやすさ | あまり手間がかからず簡単だが、強い力を加えると変形することがあるため注意が必要 |
価格 | 安価 |
おすすめできる人 | 軽くて安価なフライパンを使用したい人 |
<h2>直火対応とIH対応について</h2>
フライパンの材質はさまざまで、それぞれに異なった特徴があることがわかりましたが、フライパンを選ぶ際にはもうひとつ注意しなければならないことがあるのです。
それは、ガスの直火に対応している種類なのか、IHに対応しているのか、あるいはそのどちらにも対応しているのか、という点です。
最近では、ガスの直火とIHのいずれにも対応している種類のフライパンが増えてきてはいますが、まだまだ一方に対応した製品が多いというのが現状です。
フライパンを選ぶ際には、ご家庭にある調理器具がどのタイプなのかきちんと確認した上で、それに適したフライパンを選ぶように注意しましょう。
まとめ
フライパンの素材が何種類もあることがわかってはいても、それらの特徴やメリット・デメリットについてご存じの方は少ないのではないでしょうか。
しかし、フライパンは長く使用するものですし、実際に使用してみてしっくりこなかったらガッカリしてしまうでしょう。
そのようなことにならないためには、それぞれの素材の特徴を理解した上で製品選びを行うことが大切です。
また、素材によってフライパンの価格には大きな開きがありますので、この点についてもあらかじめ頭に入れておく必要があるでしょう。
今回は、フライパンに使用されている素材の特徴についてご紹介してきましたので、ぜひしっかりとお読みいただき、ご自身が求めているフライパンを購入してくださいね。